職務経歴書の書き方を徹底解説(Part1)

履歴書・職務経歴書

転職する際には就職活動とは違って履歴書の他に職務経歴書が必要になります。
職務経歴書ってそもそもなんぞ?って方でもわかるように解説していきますね。

このPartでは「記載が必須であるもの」として以下3点にフォーカスを当てていきます。

①作成日
②氏名
③職務内容の詳細

特に③の職務内容の詳細については、せっかく良い経験をしているのに打ち出しきれていないという方が非常に多く、正直もったいないと感じることが多いので是非読んでもらいたいです。

まず前提として職務経歴書とは何かをWikiから引っ張ってきました。

当人が過去に従事した職務・職業上の地位、および当該職務の具体的内容を、当人の職歴として時系列的またはキャリア、プロジェクトタイプなどをベースに記載した書面のことで、第三者に提示するために使用され、時として履歴書とともに使用される。
※ウィキペディアより引用

要するにこれまでの経験を時系列で書いて、それを面接などで使用しますよといったものになります。
履歴書は経歴や個人情報を主に記載するもので、職務経歴書はそれらの具体的な内容を書くものと認識してもらえれば問題ないです。

そもそも何から書いたら良いのか

右も左も分からないって人は、まず今日の日付と名前を記載しましょう。秒でできます。
冗談はさておき、ざっくり分けていくと職務経歴書には以下の項目を記載していく必要があります。
以下の項目を全て記載する必要はありませんが、一通り書いておいてマイナスに働くことはないので、時間があれば書いておくと良いでしょう

必須・書類の作成日
・氏名
・職務経歴の詳細
あると尚可・職務要約
・得意業務 / 活かせる経験
・自己PR
無くても可・資格
・スキル一覧
・退職理由
場合によって必要・成果物

必須項目の記載例

以下の3点は何もない書類に職務経歴書という名前を付けるための最低限記載しなければいけない項目です。
大前提名前がないとどこの誰だかわからないので、フルネームで書いてください。
次に日付ですが、後ほど期間を表す項目もあるので西暦か和暦で統一していくと見やすいです。
個人的には年号の兼ね合いもあり、西暦のほうが見やすい気がします。
加えて「現在」というのも付けておきましょう。同義である「時点」でも問題ないです。

その後、職務経歴書のメインである職務内容の詳細を書いていく流れになるのですが、ここがなかなかヘビーです。
ただ書いていくとこんな経験もしていたな~と昔を振り返るようで少し楽しいので、そんな感覚でまずは経験したことを書いていきましょう。

【豆知識】
現在と時点の違い
過去、現在を指す際には「現在」「時点」どちらでも問題ない。
・未来を指す際には「時点」のみ

【氏名】

・フルネームで記載(ふりがなは任意)
愛上尾 太郎(あいうえお たろう)

【書類の作成日】

・和暦と西暦を選択
「令和◯年◯月◯日」or「20◯◯年◯月◯日」+ 現在 or 時点
提出のタイミングで都度日付は最新化しておくことが望ましいです。
数ヶ月前の書類で現在と書かれていても、今は?って話になるので、その時点で作成したものであっても、日付は最新化しておきましょう。

【職務経歴の詳細】

★今日のメイン
ここで必要なのは「いつ・誰が・何に対して・何をしたのか」です。
加えてそれらの成果であったり実績について書いていきます。

期間業務内容
◯年◯月  
  |
◯年◯月  
【業務概要】
法人に対して◯◯の新規獲得営業
↑「法人に」という部分が「誰に」にあたります。
具体的にIT、飲食店、不動産といった業界を入れると尚良しです。


【担当業務】
アポイントメントの獲得に向けた電話営業(日 / 30件程度)
↑なんのために何をしたのか+定量的に行ったことを表せると尚良しです。
定量的にと言うのは、数字で表すことを指します。

現状の課題ヒアリングと提案
オンラインミーティングツールを使用し、1時間程度の時間を設けて現状の課題洗い出しから自社製品によって解決できる部分やそれに伴う付加価値についての提案を実施
↑あえて業務の詳細を書いています。
他の項目も「業務の見出し+その業務の詳細」を書いていく方法だと読みやすいです。
業務の内容を番号で分けずにひたすら業務内容だけを書いていると、非常に読みにくいので、正直細部に目を通す気力はなくなってしまうかもしれません。


③提案に合わせた製品のプレゼンテーション
④導入に向けたオリエンテーションの実施
⑤導入後のアフターフォロー(顧客訪問+追加提案)

【実績 / 成果】※あれば尚良しの項目
目標件数◯件に対して◯件の成約
↑実績が高いに越したことはないですが、誰しも成果を上げられているわけではないと思うので、ここについては自身の中で今後も活かせると思われる成果を以下のように記載してもOKです。

追加提案の打診と受注
導入後のアフターフォローにおいて課題解決だけでなく、将来的な利便性についても提案したことから追加発注をいただいた。

少々見にくくなってしまったので、シンプルにすると以下のようなイメージです。

期間業務内容
いつからいつまで【業務概要】
業務そのものの概要を簡潔かつ具体的に記載

【担当業務】
担当業務のタイトル
上記業務の詳細

担当業務のタイトル
上記業務の詳細

【実績 / 成果】

プロジェクト単位で参画している方なら役割や規模を記載し、エンジニアであれば担当工程や技術環境についても記載しましょう。
これらをプロジェクト単位で記載していくといった流れになります。
自身がどういった環境で何をしてきたのかをいかにわかりやすく書けるかがポイントです。

期間業務内容技術環境役割 / 規模
いつからいつまで【業務概要】
業務そのものの概要を簡潔かつ具体的に記載

【担当工程】
・要件定義
・基本設計
・詳細設計
・実装
・テスト


【担当業務】
担当業務のタイトル
上記業務の詳細

担当業務のタイトル
上記業務の詳細

【実績 / 成果】
【OS】
Linux
【言語】
PHP
【フレームワーク】
Laravel
【DB】
MySQL
【M/W】
Apache
【クラウド】
AWS
【役割】
メンバー

【規模】
全体:20名
チーム:5名

どこまでの具体化が必要なのか?

具体化してくださいと言われてもどこまで詳細に書く必要があるのかが気になるところですよね。
例えば、以下のように考えてみてください

同じ業務を担当していても、情報粒度を高めることによって印象が異なります。

A.営業をしていました。
B.◯◯業界に向けて営業をしていました。
C.◯◯業界に向けて◯◯の営業をしていました。
D.◯◯業界が◯◯といった課題を持っていたため、◯◯が必要であると考え◯◯の営業をしていました。

Aだけを書かれた日にはもはや何かの暗号なのでは?と軽く困惑してしまいます。
※職務要約における「営業職として従事」ならまだわかります。
Bはなるほどといったところで、Cから具体的だなといった印象です。

この4つの中ならDが一番具体化されてますが、一度に入ってくる情報が少し多いですよね?
では以下のようにしたらどうでしょう。

◯◯業界に向けて◯◯の営業をしていました。 
◯◯の業界は◯◯といった課題を持っていたため、◯◯の改善に向けて◯◯を提案していました。 

C+Dにすることで少し見やすくなったのではないでしょうか。
違う文言も入ってますやんって話ですが、ここでは既に「営業を行っていた」という説明を前述しているので、更にその中で「こういった提案をしてきましたよ」というところまで具体化できているのです。
これは一度に与える情報を切り分けてそれぞれを具体化した状態であり、 簡潔に書くといっても一度に与える情報を増やすのではなく、それらを分割することで更に情報粒度を高めることができるのです。

更にそこからの成果へ結びついたエピソードなどは【実績 / 成果】の欄にも記載できるので、それぞれ分割することで粒度が高まり、読みやすさも追求されていきます。

まとめ

ここまで書ければ一旦職務経歴書としての意味をなします。
ただ、アピールポイントといった点が不足しているので、次回はアピールポイントとして以下の「あると尚可」な項目について紹介していきます。

・職務要約
・得意業務 / 活かせる経験
・自己PR

おまけ:枚数は抑えた方が良いのか?

結論ここについて枚数制限は特段企業から設けられていない限りないです。
2枚に抑えた方が良いというようにも言われておりますが、確かに簡潔で見やすくなる一方で、それにより情報が抜け落ちてしまっていたり、内容が読みにくいものになってしまっては元も後もないです。
もちろん無駄な情報を省いて抑えられるならそれに越したことはないんですけどね。

しかし、そこでの無駄って何を指すのでしょうか?
読み手が何を欲しているかが分からない以上、自分の判断で省いてしまって良いのでしょうか?

…はい。迷宮入りですね。

ただ、最低限「5W1Hの要素」を含んで入れば情報粒度に問題はないと思っています。
その上で、例えば「テレアポをした」という業務に対しては以下のようになります。

入社から3ヶ月間本社にて新規顧客獲得に向けたテレアポとして電話営業を実施した。
・When :入社から3ヶ月間
・Where:本社にて
・Who  :自分が
・What :テレアポ
・Why  :新規顧客の獲得のため
・How :電話を用いて

上記の場合、「本社にて」という部分は省いても良さそうです。
「電話を用いて」という部分は、テレアポと書いているのだからもはや「腹痛でお腹が痛い」と似たような印象すら覚えます。
このように書き出した上で不要と思われる部分を削っていけば良いので、根本「5W1H」を意識してまずは書いてみてください。削るのはその後で考えましょう。

【豆知識】
5W1Hとは以下を含んだビジネスの基本的なフレームワークです。
・When :いつ
・Where:どこで
・Who  :だれが
・What :何を
・Why  :なぜ?
・How :どのように

これらを実施した上でページ数が多くなるのは仕方がないと思います。
それだけ濃密な経験をされてきたということでしょう。
とはいえ先方からの指定があるのであればそれに則って作成しなくてはならないので、その場合は以下のように省いていきましょう。
【職務概要】←【担当業務】←【担当業務詳細】
要求レベルに応じて徐々に具体性を減らしていく構図となります。

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