ストレス社会と言われる現代では精神的な疾患を抱えてしまう方も少なくありません。
むしろ昨今メディアでも取り上げられることが増えてきたように感じます。
今回はそのような病歴がもたらす転職への影響についてまとめていきます。
病歴とはなにか
まず前提知識として「病歴」とは何を指すのかを抑えていきましょう。
病歴は大きく分けると「既往歴と現病歴」の2種類あります。
「既往歴」とは、過去に罹患した病気や健康状態のことであり、現在は治癒しているものを指します。
今まで患った病気、怪我はもちろん、事故などで病院へ通院、入院あるいは手術をしたかなどの情報がそれにあたります。
完治していないものに関して「現病歴」と呼び、定期的に病院で治療や投薬を受けている場合がこれにあたります。
病歴と転職の関係
この病歴が転職においてどのように影響してくるのでしょうか。
まず前提として病歴は 【個人情報保護法における要配慮個人情報】にあたるため、求職者側が告知する義務はなく、企業側も一部の状況を除いて聞くことができません。
※一部というのは合理的かつ客観性のある理由が説明でき、なおかつ本人の同意があれば、既往歴を聞くことができるためです。
極端な話コールセンターで働くのに、耳に何らかの問題を抱えていては業務に支障がでることが予想されます。
このように「労働力を会社に提供し、会社が労働の対価となる給与を支払う」という基本的な契約条件を満たせなくなる可能性がある場合は、病歴について確認することができます。
そもそも後ろめたいことなのか?
残念ながら病歴があるとないとでは、選択肢の幅が変わるというのが現実です。
これはまだ社会がそういった部分への理解が追いついていないというのもありますが、企業がリスクマネジメントするうえでも重要な要素となるからです。
労働者が業務中や通勤中にケガや病気をする度に労災は適用されますが、そうなると企業としては労災保険料が上がるため、単純にコストが増加することに繋がります。
目に見えず、求職者自身も自分が治癒、完治しているのか明確には分からない精神疾患については、こういった面から企業は特に不安に思うのです。
バレないなら黙っておいたほうが得?
前述した通り求職者には告知の義務は基本的になく、企業側もそれを調べることはできません。

それなら何も言わないほうが良いのかな…?
そう思われる方もいると思いますが、意外にも身近に発覚のリスクは潜んでいるのです。
特に休職期間の確認時や面接前アンケートで偽るわけにもいかないので、このタイミングで発覚してしまうことが多いでしょう。
▼実際に発覚したケース
・他の従業員からの密告
・本人からの申告
・既往歴が原因で業務において重大な事故が発生する
・家族と話す機会があったときに偶然耳にする
・面接前のアンケートシート
・休職期間のブランクについて聞かれた際

偽って申告してたのがバレたら解雇になっちゃうの…?

既往歴が虚偽だった場合であっても即解雇につながる可能性は低いです。
しかし、その可能性がないとも言い切れず、 即解雇になるかどうかは「既往歴と業務内容の関係性」によって異なり、業務の遂行に著しい障害があると判断される場合は、懲戒解雇の事由に当てはまると考えられます。
しかし、業務の遂行に対する影響が軽微であったり、全く影響がなかったりする場合は、解雇は無効となる可能性が高いといえるでしょう。
特に昨今増えている精神的な疾患に関しては、直接的な影響を与える根拠となるものの判別が難しく、懲戒解雇へ直結する可能性は低いと言えます。
しかし、懲戒解雇にならないだけで、何らかのペナルティを課せられる可能性はあるので注意しましょう。

後から発覚するのと事前に伝えておくのとでは、その後の働きやすさも違いますよね。
どのように伝えたら良いのか?
病気などを患っておらず、自覚症状が特に思い当たらない場合は「良好」と書きましょう。
既往歴、現病歴がある方は業務に支障があるかどうかで書き方は異なるので、「病名や症状について」と「業務に支障をきたさない旨」を記載しておくと良いでしょう。
何度も言いますが業務に支障をきたす病歴があったり、ケガをしていたりするにもかかわらず、健康状態欄に「良好」と書くことは避けてください。内定後に「健康診断書」の提出を求められることは多く、その内容と履歴書の健康状態欄の内容に相違があると、内定が取り消される可能性もあります。
最後に
選考が不利になるものを素直に伝えるのは勇気がいりますし、率直に言いたくないというのが本音だと思います。
しかし、それをずっと隠しながら仕事をしていく方が却って心身負担を増やすことになりかねません。
良くなったものもまた再発してしまっては、より今後のキャリアが苦しくなるだけなのです。
精神疾患になる方の多くは、元を辿ると責任感が強いがゆえに無理をしてしまったという背景の方が多く、「頑張りすぎてしまった」のだと思います。それは決して悪いことではなく、その結果頼ることであったり抱え込まないということを学ばれたのではないでしょうか。それらすべて引っくるめて理解してくれる会社で働いた方が幸せになれるので、病気になったからといって悲観せず相互理解してくれる会社を探していきましょう。
また、大前提として転職活動をはじめるのは症状が治り、仕事をはじめても問題がないという主治医の診断を得てからにしてください。中途半端に焦ってしまうと症状も改善されず内定もでないという最悪の結果に繋がります。
キャリアも同じですが、焦らず今しなくてはならないことを見据えて動いていきましょう。

